父母を偲ぶ Part Ⅺ
母の教えに従って、これからは最初に感謝の言葉を述べてから、書いていきたいと思います。
今日も1日、無事に過ごすことができました。
私は恵まれています。
ありがとうございます。
では続きです。
翌日、何の実感もないまま、母の待つ部屋へ。
冷房をMAXにして帰ったので、部屋はキンキンに冷えています。
母に「おはよう」っと挨拶をして、母の手や頬に触れると、当たり前ですが冷たくなっています。
しばらくして、母の身体を綺麗にしてくださると言う事で、母は別の部屋に運ばれて行きました。
またしばらくして、母の身体を綺麗にしてくださっている人が、私たちの待っている部屋に足早に来られて、私たちを、母がいる部屋に行くようにと、迎えに来てくれたのでした。
その部屋に入って母を見た途端、もう皆涙が止まりませんでした。
母の顔は、それはもうすごく穏やかで、今にも「あ~、気持ちの良いお風呂やわ~。」と言ってもおかしくないような表情をしていたのです。
身体を綺麗にしてくださっていた方々も、その表情にびっくりして、私たちを呼びに来てくれたのです。
そして、その人たちが「息子さんたちは遠方に住んでるのに、お母さんに良くしてあげはりましたよね。詰所でも、皆言ってたんですよ、こんなにしてもらって、お母さんはほんま幸せな人やなって、この表情みてあげて、きっとお母さんもうれしかったんと違いますか。」
もう皆号泣です。
今でもあの時の母の表情は忘れられません。
悔いが無いとは言いません。
思い返せば、あれもこれもと後悔は尽きませんが、その中でも、自分たちのできることはできたかなと。
父の時の後悔、父には本当に申し訳なかったけど、その分、母にはできたかなと。
感謝の気持ちも、きちんと伝えることができて良かったなと。
このようにして、母は天国に旅立って行きました。
お母ちゃん
お父ちゃんが旅立って、しばらく寂しい思いをさせてしまったけど、天国のお父ちゃんに会えましたか?
久しぶりに会えた感想はどうですか?
今まで寂しかった分、お父ちゃんとお母ちゃんで楽しんでください。
お父ちゃん
お父ちゃんの入院中、あまり見舞いに行けずごめんね。
その後悔もあって、お母ちゃんにはできるだけの事はしたつもりやけど、
できてたかな?
お父ちゃんには直接伝えることがでけへんかったけど、改めて言わせてください。
お父ちゃん、僕を一生懸命育ててくれてありがとう。
お父ちゃんの子供で幸せやったよ。
本当にありがとう。
遅かれ早かれ私たちもそちらに行く時が来ます。
それまでの間、私の家族と弟の家族を天国から見守っていてください。
昨年末、私の息子、結婚したよ。
式で息子が挨拶をした時に、「天国のお爺ちゃん、お祖母ちゃん、結婚したよ。本当はここに来て見てもらいたかったけど残念です。」だって。
天国まで届いてたかな?
見守ってあげてね。
お父ちゃん、お母ちゃん、私たちを育ててくれて本当にありがとう。
ありがとうございました。
(おわり)